皆様こんにちは、ジャッカル社のジミーシリーズルアーのデザイナーをしています横山朋毅(よこやま ともき)と申します。
いよいよ発売が迫ったジミーヘンジの最大サイズ・「キングジミーヘンジ」。
オリジナルサイズのジミーヘンジ42の特徴である砲弾型のボディーを中心に、アームが放射状に拡がる異形の生命体的なデザインは受け継ぎつつ、その使い方や効果的なシチュエーションは全く違うコンセプトを持った別ジャンルのソフトベイトといえます。
具体的なコンセプトの違いを言葉で表すと「オープンウォーターの中層をメインに素早く緩急を付けたアクションで反射的にバスに口を使わせるジミーヘンジ42、50」に対し、「カバーやボトムに絡めてスローなシェイクやズル引き・フォール・ハングオフ等での余韻のあるアクションをじっくり見せて存在感で喰わせるキングジミーヘンジ」という事です。
今回のコラムでは、開発開始からコンセプト決定までの経緯、更にテストでのファーストインプレッションまでのお話しをさせていただきます。
コンセプト決定〜テスト開始編
そもそもの開発のきっかけはジャッカル社側からの「ベイトタックルで扱える大きなサイズのジミーヘンジが欲しい」というリクエストがあったことから始まりました。
しかしながらジミーヘンジのオリジナルコンセプトとしては「小さな物が素早く動く事で反射的なバスの補食行動を引き出せる」という物。
ルアーのサイズを大きくすればするほど素早く動く物に対するバスの反応は弱くなり、本来のジミーヘンジが狙っている効果は薄まってしまうと考えています。
ですのでジミーヘンジの特徴的な形状を受け継いだ上でサイズを大幅にアップした分、オリジナルモデルとは違う特徴を活かし、プレッシャーが掛かったビッグバスに口を使わせる為の最適なギミックを考え配置するという部分で自ずと目指す方向性が決まりました。
具体的には、オリジナルモデルではフラットな形状だったアーム先端部を更に縦方向に高さを付けてボリュームを出し、ステイやシェイク時の僅かな水流でもしっかり反応するように形状変更。
更に元々ある5本のアームの間に補助的な細いアームを設けて繊細な動きと水流を発生させるようにデザインをし直しました。
ボリューム感はミディアム~ミディアムヘビークラスロッドに、12~20lbクラスのフロロカーボンラインを合わせたベイトタックルで無理なく扱う為にワーム単体で10g前後のウェイトに設定。
やや比重を持たせた通常のワーム素材で試作し、プロト第1号が完成しました。
リグはノーシンカーや軽いシンカーをインサートしたネイルリグ、リーダーレスも含めたダウンショットリグ系をメインにしてのフィールドテストを開始。
結果は見通し通りで、リザーバーの立ち木に絡めたスローな釣りでビッグフィッシュを含めた好反応が得られました。
しかし同時にいくつかの不満点・トラブルに繋がりそうな問題点が発覚する事になります。
次回、キングジミーヘンジ開発秘話・第2章に続きます。
キングジミーヘンジ開発秘話 第1章
JACKALL


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